「あーほら、 今日久しぶりに彼氏に会うとか言うてたやん? 聞くだけ野暮やで?」 アヤメと一緒にいたアズサが彼女の腕を引っ張る。 御陵 アズサ(ミササギ アズサ)と芹生 アヤメ(セリョウ アヤメ)は大学で同じ専攻の友人だ。 履修科目が同じものが多くて気がついたら一緒にいる、 ってそんな感じ。 「オトナのひとなんやろー?」 「うらやましいなあ!」 そんな風に言う彼女たち。 からかってんのか本気で言ってんのかよくわかんない。