ゆっくりと、 彼の腕が背中に回る。 目を閉じていても彼の体温が近くにあることがわかる。 彼の手がアタシの中に溶けてゆくような温かい、 感覚。 なんだか、 もう、 これだけでもじゅうぶんに幸せ。 そしてこれから起こるであろう、 初めての出来事に思いを馳せる。 「嫌だ、と思ったらいつでも止めるから」 …そんなこと、 ないです…よ。 …ありえない。 今だってこんなにも心地よくて…。 だからきっと…。