店を出て路地をふたり、 四条通に向かって歩く。 ここに来る時も十分に静かだったけれど夜も落ち着いてきたせいか今のほうがもっと静かに感じる。 普通に歩いていると暗くてよくわからないけれど街灯が近くなると彼の顔かたちがはっきりと見える。 街灯でできる光と影で彼の目鼻立ちが一層端正に見えてうっとりする。 キレイなひとだなあ。 「なに?」 アタシの視線に気づいた彼が聞く。 「え…っと…」 見とれてたなんて言えなくて返事に困ってしまう。 そして焦る顔を見られたくなくて思わずうつむく。