甘い秘密をそっと教えて?


平日の午後だというのに周りはにぎやかで。

若い子や小さな子どもを連れたお母さん、
仕事の途中らしきサラリーマン…。

いろんなひとが時間を過ごしていた。


「ヒカリは十分に魅力的だよ」

ざわざわとした中で樫原くんが笑顔で言う。


でも
そんな言葉も今のアタシには何の慰めにもならない。


「はーい、
どうもありがとね…」


ま、だいたいほんとにそう思ってんのかどうかわかんないけど、
とりあえずお礼を言っておく。


「感情こもってねーな?
それに…ちょっと元気ない?」

そう言って彼はコーヒーを一口、
飲む。


え?
そんなことないけど。

でもその言葉、
本当は支店長に言って欲しいんだけどな…。