------------------- 「アタシって魅力ないんかなあ」 横浜での出来事を思い出しながらアタシはぽつりと言う。 もうずっと京都に帰ってきてからぼんやりしてる。 「なに?魅力?」 あ、そうだ。 アタシ今樫原くんと一緒に居るんだった。 変なこと言うんじゃなかった。 「なんでもない」 「話してる途中で止めるなよ。 相手に失礼だろ」 「…ごめん」 彼はくすっと笑う。 なによ、 ちゃんと謝ったのに。