楽しい話をしてる時間もいいけれど。 こうして なにも話さないでいる時間も好き。 彼が背広を脱いで隣の椅子にかける。 それだけでも。 普通の。 何気ない。 そんな瞬間が とてもいとおしい。 「ヒカリは今18だっけ?」 グラスワインを一口飲んで彼は聞く。 店の明るすぎることも暗くなる過ぎることもない、 ちょうどいいくらいの照明がグラスを反射させてキレイに光る。