アタシはこのまま約束してる場所に行くつもり。 地下鉄の改札出たところで向こうの階段のほうを指差して彼に言った。 「そしたら、あっちの神戸線で行くんやろ? ほな、さよなら」 慌てて離れようとするアタシの腕を彼が掴む。 ちょ、何してるのよ。 思い切り腕を払う。 「急いでるんだね。 今日、デートだったの?」 「は?」 「さっき、 授業終わったときも時計ばっか気にしてたし。 何時に約束してる? ついでだし俺、挨拶しよっかなー」