「お前はすぐ泣くな」 弘樹の声が聞こえる。 「弘樹‥」 私は弘樹を見つめる。 「迷惑だよね‥私、みんなに迷惑かけて、ごめんなさい‥」 「‥‥こっち見んな」 弘樹は私から目を逸らしてベッドに座った。 「泣いて上目遣いは反則‥」 弘樹は何か言っている。 「‥なに?」 私は弘樹を覗きこむ。 「本当、お前さぁ‥」 弘樹は私の手を引っ張って、自分の前に立たせた。 「弘樹‥なに?」 弘樹が視線を合わせてくる。