彼ハ知ラナイ【短編・完】





「皐月、いっつも俺が起きたらいなくなってるよな?」

「…当たり前でしょ。」

「なんでだよ?」

「……山本くんは、“優衣”を抱いてるんでしょ。目が覚めてあたしがいたらおかしいじゃん。」




少し、呆れる。


学校では好青年で通ってる彼の頭の中が不思議過ぎて。




「じゃあ今日は、目が覚めてもいれくれんの?」

「は?」

「だって俺、今日は皐月を抱いたからな。」




目の前にいるのは、本当に優衣の彼氏の山本くんだろうか。



昼と夜で、ぜんぜん違う…