人影の少ない中庭で、坂本さんと智晴が向き合う。 ――これはリアルなやつだ! どうにか阻止しなくちゃ……。 でも、どうしたらいいか分からない。 「実は私、智晴君のこと……」 「ちょっと待った!」 考えてる暇もなく、勢いで私は飛び出してしまった。 智晴の冷ややかな目。そして、坂本さんの鋭すぎる視線。 ……しまった。 やらかしてしまった。 「お前、人の会話邪魔すんなよ。ってか、何でここにいんの?」 「ごめん、人違いです……」 智晴に冷たく睨まれる。 やっぱり、こんな嘘ばれてますよね……。