スタスタと歩いていく智晴。 ……きっと今、智晴はほんっとうにお腹が空いてるんだ。そうだ、そうに決まってる……、よね? 「って、置いてくな!」 一緒に帰ろうって言ったの、私の方だし。 勝手に私を置いて帰るな! 追いついて文句を言おうとしたけど。 顔を覗き込んだら、智晴は赤くなってた。 え? ……なんて、そんなわけないか。 夕陽に照らされてきっと赤くなって……、って今は青空広がるお昼だった。 「ずりぃんだよ……」 そんな声が聞こえたような気がしたのも、多分気のせい。