「んじゃ、また明日。」

大通りまで来たら、彼はあっけなく手をほどいて、また来た道を戻っていった。
うちは、しばらく手の感覚がわからへんくてじっと立ってた。ほんま、なんやってんやろ。公園からここまで、嵐みたいなんがきて心の中をぐちゃぐちゃにされたみたいや。でも、手の温もりだけははっきりと認識してた。たった数分間やったけど、心臓は爆発しそうやった。やのに、頭はどっか冷静で大通りが見えてきたら、ちょっと寂しく感じた。それで、手が離れて、今は孤独感みたいなんが隣にいる。それは、もうちょっとでも一緒に居たかったからや。
気づくまいとしてたけど、気づいてしまった。

うちは二宮さんの事が好きなんや。