急に離されて私は驚き彼の顔を見る。
すると彼も驚いた顔をして
「今…なんて?」
と言う。
私は自分が何を言ったか思いだそうとしたとき
彼が小さく「みふゆ様…?」と言ったのを聞き逃さなかった。
『みふゆ』とは前世の私の名前。
今は『美雪』という名があるので私を呼んだわけではないのだろう。
じゃあ『みふゆ』って?
私の頭はイイ方にしか回らなかった。
「ひろたか様…」
彼の目を見て言ってみた。
ひろたか様…
あなたも覚えていたのですか?
あなたも私のことを忘れないでいてくれたのですか?
「記憶が…あるの?」
そう言う私の肩を持っていた彼の手がさらに私をつき離し
その場で頭を抱えてしゃがみこんだ。
「そんなはずはないそんなはずはないそんなはずはないそんなはずはないそんなはずはないそんなはずはないそんなはずはない…」


