龍に釘をさされ
病室を出たのは良いけど
我慢にも限界があるから
私はさっき智に
点滴をはずしてもらった腕を
振って久しぶりに走った
走ったと言っても
そんなに距離はないけど…
幸いトイレはすいていて
直ぐに入ることができ
用を足すことが出来た
でも問題は出た後だった
出て手を洗っていると
さっき走ったのが悪かったのか
だんだん小さな咳が出てきた
「ケホッケホッハァ ケホッハァ」
風邪の息苦しさもあったから
走ったせいで喘息も出て
大分息が苦しくなってきた
苦しくて苦しくて
どうにかトイレの出口には
出ることは出来たけど
出たところでしゃがみ込んでしまった
「…ゆず?
柚なのか??」
「ケホッハァそ う?ケホッケホッ」
「どうした?
何やってんだ?
あぁ答えなくて良い」
荘はすぐに理解してくれて
私を抱き上げた
「龍はICUだろ?」
コクン
「じゃそっちに運ぶな」
コクン
どちらにもうなずくだけで
私は答えることができなかった

