「なぁ荘」
良いムードのなか
龍が口を開いた
「ん?」
「覇瑠の体温計
なってたぞ?」
うそ!?
会話に参加して
なかった私でさえ
気付かなかったのに
龍すごっ(笑)
「まじかさんきゅー」
そう言って
体温計を確認すると
荘の顔は何ともいえない
表情になった
それを見かねた龍が
主治医の顔になって
近づき声を発した
「何度だ?」
「8度5分」
「覇瑠聴診するな
前捲ってくれ」
「うん」
その瞬間部屋が
静かになって
龍が聴診を進めた
「まだよくはないな
喘鳴もなってるしな
でもまぁ絶対安静だし
柚と悠と病室で
まったりしてれば大丈夫だな」
それを聞いて
心の中で肩を落とした
私が居た
でも今は体調が
悪すぎてそれも悪くは
ないかなと思えた

