「着いた」 何事もなかったように外を見て呟く。 その方が楽だし、嬉しい。 「近代じゃんっ」 「この辺はね」 「修学旅行以来だなぁ」 「俺も」 駅に着くと、あたしの荷物と自分の荷物を持ってあたしの手を握った。 「迷子にならないように」 「…うん」 少し冷たい郁斗の大きな手。 絶対に離さないよ。 離れないから。