お互いゆっくり離れると、
郁斗は優しく微笑んだ。


あたしもつられて笑う。


ずっとこうしたかった。


触れたかった。

笑い合いたかった。

話したかった。


「じゃ、行く」


「うん。学校でね」


「ん」


あたしに背を向けて、
学校の方向に歩いていく。


その背中が見えなくなるまで見送って、
あたしは部屋に戻ると、

眠たくなって寝てしまった。