「みんながみんな、
柚衣みたいに成功するわけじゃないんだよ」


───…え??


俯きながら、
遥はぼそっと言った。


「そんなつもりじゃなくて」


「いいよ。わかってる」


遥は鞄を取ると足早に教室を出ていった。


「遥…っ」


今、行ってももっと遥を困らせるだけ。


あたしはそのまま床に座り込んだ。


あたしは、
遥が勇気を出して言ってくれたのを


その勇気を傷つくものに変えてしまった。


ごめん、ごめんね…遥。