気持ちを落ち着かせるように、息を吐くと外へ向かった。




《...はいはい。解った。準備しとくわー》



「よろしく。じゃあね」



《え、ちょっ...。それだけ―――》




相手のことはムシして、通話終了のボタンをピッと押す。





しばらく携帯を眺めていると、ザァッと強い風が吹いた。





冬桜の小さな花弁が、暗く小さな星が存在していた空を舞う。






冷たい風だけが、あたしの頬を撫でた。