あのときは、椎にこんな一面があったんだってすごく驚いた。 あたしなんかいらないだろうなって、思うくらい。 そんな椎は......。 「幻、だったのかな?」 思わず、哀しくて呟く。 「ん? 何、どうかした?」 下から見上げる、『バカな人』を見るような視線。 あんたから、そんな目で見られたくない。 あたしより背の高い椎が、下から見上げている理由は。 「てか、早くこの問題の答えー」 イスに座ってるから。