感じるのは、頬に触れている部分があったかい。 力強い腕が、あたしを包んでいる。 思考がストップするくらい突然だった。 後ろにいた女のコが、小さく悲鳴をあげた。 あたしは......抱きしめられた。 「落ち着け。もういいから」 気怠そうな声じゃない。 しっかりとした男の声だ。 何も言わずに、ただじっとしていた。 椎が彼女たちを睨んでいたからなのか、彼女たちが生唾を飲む音だけが聞こえた。