小さな溜息をつき、口を開く。



「覚えてますよ。『椎に近づくな』でしたよね?」



静かに彼女を見つめる。



「そ、そうよ...」



怯えていないあたしに驚いている。




「あたしも前に言ったはずです。椎のボディガードを辞める気はない、と」




強い口調で意志を伝える。




「姫くんに、あたしたちは近づけないって言うのに...」



後ろにいた女のコが、悔しそうに唇を噛んでいる。



それは、あたしに言われても困るって。




「藤堂歩っ、あんたが意図的にしているとしか思えないの!!」



涙目で訴えるギャルさん。