――――キーッ... 屋上のドアを開けた瞬間、冷たい風が流れ込む。 それに不快感を感じながらも、目は司を追っている。 音も立てずに、司へ近づく。 「何で。俺を追ってきた」 振り向かずに、司は口を開いた。 進む足を止める。 「司が心配だったから。じゃ、ダメ?」 「え?」 さっきの歪んだ表情じゃなく、素直に驚いている。 ますます、さっきまでの司が嘘なんじゃないかって思う。