【完】あたしが君を守るから






どうして...




「どうして、こんなことを?」




例え椎を、当主にしなくてもこの会社は残るのに。





「それは、純が作った会社だから。あなたのお母さん、未来をあんなに苦しませた本人だから...」




悔しそうに唇を噛む。




あたしが保健室で寝ていたときに、見た15歳のときのこと。




祥子さんは拳を握りしめて、純さんに言っていた。





『殺してやる! お前が作った会社と共に!!』




この場面を見ていたあたし。





でも、2階で遊んでいた子供が不注意で落としたリンゴが。





勢いを持って、あたしの頭に落ちてきたことで記憶がとんでいたんだ。