泣くのを止めて、落ち着いたときに。




「歩、椎のボディガードが終わったらお父さんに...会いたいか?」




控えめに、心配そうに聞く譲さん。




それに、首を横に振る。




「お父さんは、あたしを忘れようと固く決意しているはずです。このペンダントがある以上、あたしは会えなくても平気です」




ゴールドの指輪には、淡い青色の石が埋め込まれていて、




指輪の内側には、Ayumu Todoと彫られている。




藤堂家の一員であると、思っていいのかな。





「歩は性格が違えども、瞳や顔立ちは未来さんに。柔らかい髪質は、悠にそっくりだよ」




そう言われると、嬉しくて照れくさかった。