「なー。お前さぁ、何で母さんの旧姓名乗ってんの?」
この部屋に入る前に、家の表札には【姫宮】ではなく、【藤堂】と書かれてあったから。
「いやー。家を出た身だから、姫宮を名乗るわけにはいかないかなーって」
笑いながら、暢気に話す悠。
その隣で、嬉しそうに微笑む未来さん。
「ぴぎゃーっ、ぴぎゃーっ」
その未来さんがあやしているのは、赤ちゃん。
ポリポリと頬を掻く。
「あのー。ベビーシッターでもしてんのかな?」
笑顔を作って、首を傾げる。
「あぁ。これ、俺の子供」
未来さんから赤ちゃんを抱き上げ、微笑む悠。

