「顔を上げてください」 数秒経って、祥子さんは口を開いた。 えらい長かったけど、そこは言っちゃダメだよな。 黙って顔を上げる。 「私...知っていました」 えっ...。 少しだけ微笑む。 「何を、ですか?」 親父は表情を変えなかった。 でも、親父が聞かなかったら俺が驚きながら聞いていた。 「御宅の悠さんと、未来がおつきあいしていることを。結婚したことも知っておりました」