「...ゆむ。...歩っ!」 名前を呼ぶ声が聞こえて、ハッと我に返る。 「どうした? コーヒー、冷めるぞ」 怪訝そうにあたしを見つめる夏目。 「ううん。何でもないよ」 慌てて笑顔を作り、少し冷えたコーヒーを飲む。 「姫くーんっ!」 「姫せんぱーいっ」 静かになると、外の声が耳に届いた。 キーの高い、女の子の声。 そして、"姫"ってワード。 すぐに誰か見当はつく。