読み取ることに集中していると、暢気な音が聞こえた。




あたし、じゃない。




ミシェルちゃん、でもない。




...ということは。




残るはあと一人しかいない。




「何? お腹減ったの?」




呆れた笑みを向ける。




「違うし...。これ、わざと喉鳴らしただけだし」




苦しい嘘を、顔を背けて言う。




素直にお腹減ったって言えば良いのに。