でも、このまま放っておくわけにもいかないし...。




「司っ!」




大きな声で、彼を呼び止める。




「なに?」




不機嫌なのが分かる声のトーン。




どんなに追いかけても、椎が中々捕まらないから仕方ないよね。




「あたしが、杏仁豆腐おごるから。だから、もう走り回らないで!」




――――バンッ



杏仁豆腐代をテーブルの上に置く。




「あ。マジで? あっりがっとさんっ」




さっきの声とは全然違う、明るい声。




お金に飛びついて、そのまま食堂のおばちゃんのところに持って行った。