「うっわ。姫バカだなーっ」 司がとなりで爆笑している。 「うるせぇ。お前の名前もあんだろ?」 視線をまたホワイトボードへと移した椎。 でも、そこで椎は話さなくなった。 「ないんだろ?」 すごくニヤニヤした顔。 「何でないんだよ」 言い返せなかったのが不愉快なのか、声のトーンが低い。 「俺。数学は得意ですから」 超ドヤ顔。笑っちゃうくらい。 「“だけ”。数学“だけ”だろ」 すぐに食いつく椎。 もう。2人とも子供過ぎるって...。