「金持ちの側に居て、タダで貰えることをこんなにも喜ぶヤツ、初めて見た」 顔を逸らして、笑っているのか肩が震えている。 「だって、あたしは椎の家族って訳じゃないし...。ただの雇われ人間だもん!」 自分で言ってて、悲しかったけど仕方ない。 事実だから。 夏目は何も言い返さなかった。 「次の方、どうぞ~っ」 女性のスタッフさんの声が届く。 いつの間にか、順番が来ていて夏目を引っ張る。