ベンチから立ち上がる。 「どこ行くっ?」 急にテンションが上がったことに驚いている。 でも、すぐに口角を上げた。 「男の俺にエスコートさせてよ」 ブラウンの瞳が優しくあたしを見つめる。 そして、右手が差し出される。 「握れってこと?」 控えめに尋ねる。 「そこは何も言わずに握ってくれないと」 どうぞ? と言うように、少し首を傾げる。