「どうして、椎と一緒じゃなかったの?」 息が詰まって、何も言えなくなる。 「...元気もないみたいだし?」 視線を落としたままのあたしを、心配そうに見つめる。 桃さんは、カチャリと持っていたカップをテーブルに置いた。 「何があったのか、教えてくれない?」 優しいその声が、お母さんみたいに暖かかった。 あたしは、自然と口を開いていた。