――――キーンコーンカーンコーン... いつもより下校のチャイムが、哀しく聞こえたのは気のせいかな。 今朝からずっと、椎とは壁ができたみたいに、近くにいるのに遠く感じる。 今日も椎は、放課後補習で教室に居残り。 もちろん、美咲さんが側にいるから。 また、理玖に怒られちゃうかな。 椎の護衛をサボったこと。 あと少し、あと少しでこの苦しみから逃れることが出来るのに。 そう望んでるのに、"離れたくない"って心のどこかで思う自分がいる。 溜息だけが零れるんだ。