「ありがとな。もう、大丈夫だから」 上に乗っていた美咲さんに、椎が優しく言った。 「良かった。椎にケガがなくて」 可愛らしく微笑むと、退こうと足を動かした。 「ったぁ......」 顔を少し歪めると、足首を擦る。 「足、捻ったのか?」 「うん...。でも、平気だから」 笑顔だけど、辛そうなのは読み取れる。 「嘘つけ」 「ちょっ...、っと?!」 あ...。 椎が美咲さんを... お姫様抱っこしてる...。