「落ち着け。今は叱っている場合じゃない」 仲間の1人の男性に、理玖は腕を掴まれゆっくりとあたしから手を離した。 何も言えなくて、視線を落とす。 すると、司が躊躇いがちに近づいて来た。 「俺、見てたんですけど、窓から何かが投げ込まれてガラスが割れて、その何かから白い煙があがったんですよね...」 「そう。それで、スプリンクラーが作動して水浸し。ドレスが台無しよ」 怒った口調で紀子さんが口を開いた。 椎、は...? 彼へと、落としていた視線を向ける。