祥子さんの側にも、理玖の仲間のボディガードがいる。 他のお客様にも。 「うわーんっ、ひっく...、ひっく...」 「落ち着けって。兄ちゃんが側にいるから」 泣きじゃくる椿くんの側で、桐が宥めていた。 急いで駆け寄る。 「2人とも、ケガは? 平気?」 「ん...、あぁ...」 椿くんの頭を撫でる桐が、視線だけあたしに向けた。 1人だけ、洋服が濡れていないあたしに違和感を抱いているのが解った。