【完】あたしが君を守るから






会場の扉を開くと、見えるもの全てが白い煙に覆われている。




そして、スプリンクラーが作動して辺り一面水浸し。




大理石の上を、ヒールの音を鳴らしながら椎を探す。





「しっ...い...」




ヘアスタイルを頼りに見つけ出した。




でも、そこには椎を庇って倒れている美咲さんの姿が。




声を掛けたくても、声が出ないの。




「お怪我はございませんか? 奏一郎さん、紀子さん」




「えぇ...」

「あぁ...」



2人の側にいるのは、怒り、そして心配そうな表情をしている理玖がいた。