【完】あたしが君を守るから






「誰かを守れるほどの力、技が備わってる訳だろ? 女であっても、注意が必要なんだよ」




小さい頃から、そのための厳しい訓練は受けた。



護衛術ってやつ?



「そんなお前が、今は姫宮椎の側にいない。打って付けのチャンスだろ」




聞き終えて、整理してやっと解った。




あたしは、椎の側を離れちゃいけないんだ...。




すぐに会場に戻ろうと、後ろを振り向いた瞬間。





――――バンッ!



――――パリーンッ...



――――キャーッ!!




何かが爆発した音。




窓ガラスが何枚も割れた音。




男女の悲鳴。