唇を噛んで夏目を睨む。 拳を強く握りしめる。 「それに、君の判断は間違ってる。俺を追いかけてきたのは、得策じゃないね」 無表情であたしを見つめる。 まだ悔しくて、会話をしたくなくて、夏目を見ることしかできなかった。 どうして? 心の中で思うだけ。 でも、夏目には伝わっているみたい。 「俺だったら、姫宮椎を襲うときはボディガードであるお前を警戒するね」 あたしを警戒する? 言葉1つ1つに聞き入る。