「こら、桐。失礼な口を利かないの」 紀子さんがピシッと言った。 でも、桐のおかげで誰かを探る必要がなくなった。 「私の祖母であり、宝来財閥総帥、宝来祥子[ホウライショウコ]です」 美咲さんが祥子さんを紹介すると、祥子さんは優雅に微笑んだ。 おばあちゃんでこんなに綺麗な人、初めて見たよ。 「貴女が、美咲の許嫁の椎さんのボディガードなのね?」 若干ハスキーボイスの外見に合った声。 「は、はいっ...」 聞き入ってしまったから、返事が遅れてしまった。