頭が真っ白になる。 何も考えることができない。 《彼女は椎の婚約者である、宝来美咲[ホウライミサキ]さんです》 「あの宝来財閥の?!」 「考えたわねー、姫宮も...。あの宝来財閥と手を組めば、一生安泰だものね~」 ザワザワとざわめく。 "あの"宝来財閥。 金融部門に絶対的な位置を持ち、いくつもの銀行を持っている...。 銀行と言えば、宝来ってぐあいなの。 「まぁっ!!」 さらに会場がざわめいた。