「そんなの気にしない。連れ出したのは俺だし...」 「椎は悪くないから...、汚すとそのジャケットの価値がなくなるよ?」 「構わない。歩が風邪引くよりマシだ!」 「それじゃ、あたしが許せないよ!」 いつの間にか、大声で言い合う。 これがしたい訳じゃないのに...。 そう思っても、口は勝手に動く。 素直さは戻らない。 「あーもーっ、分かった!!」 眉を寄せてあたしを見つめる椎。 ついに分かってくれたんだ...!! 嬉しい気持ちが込み上げる。