「そんなの気にしない」 高い目線に合わせる。 「さっきの人たちの名前、解るの?」 1番気になったことを衝く。 「いいや。知らない」 無表情で首を横に振る。 そうだろうと思った...。 「はぁ......」 どうにもならない溜息が零れる。 「歩?」 椎が心配そうに声を掛けた、その隙間にバックからメモ帳を出す。 「これ、今から短時間で覚えて」