スマートフォンなので、画面をタップする。 〔早く来て〕 早くって...。 小さな溜息を零して、イスから立ち上がりドアへ。 ...あ。バック、忘れてた。 ホワイト調のバックを手に会場へと向かう。 階段から下りる途中、やけに周りの視線を集めているような気がした。 横目で反応を見ていたけど、みんな同じ。 ドレスに値札が付いたままなんて、そんなヘマをあの家政婦さんたちがするはずない。