空と、絵の具と、白球と。

「おいっ、やべぇーよ春也っ」



「あぁ、しっかり割れてるな」



そのうち、外から男子生徒達の大きな声が聞こえてきて。


目を向けたら、野球部らしき人達が2人、こっちに向かって走って来る。



美術室は1階にあるから、その様子がよく見えた。



「やっべぇ、中に人いるぞっ」



そんな声が聞こえて、何だか居心地が悪かった。


だって、その『人』っていうのは、絶対私の事だから。



このボール…取りに来るんだよね。



元々、男子と話をするのはあんまり得意じゃないし。


おまけに上級生だったりしたら、余計どうしていいのか分からなくて。



どこか…行こうかな?

トイレかどこかに行って、あの人達がいなくなったら席に戻ろう。



そう考えて、席を立った時だった。



「ケガ、無かった?」



すぐそばで…男の人の声がした。