空と、絵の具と、白球と。

「芹奈、かわいいよ」



舌を私の唇から離すと。


先輩はそう囁いて、もう一度唇を重ねてきた。



今度はしっとりとしていて、しっかり重なっている。


とりあえず…私は先輩にされるがままだった。



頭の中がぼうっとして。


夢を見てるんじゃないだろうか、とさえ思えるほどにふわふわしていた。



ぼんやりしている頭に届いているのは、唇の感触と先輩の汗の匂い。


そして、外から来る生温かい風とセミの鳴き声。



私は…レンアイなんてした事ないから。


これが、どういう意味なのか分からなくて。



ただ、じっとしているしかなかった。