その仮面、剥がさせていただきます!

「さっきの契約はナシ!陸人に本当のことをぶちまけてやる!」

「なんであんたにそんな権限があるのよ!」

「あ”陸人のツレとしては当然の権限だと思うけど!?大体、おまえがここまでするとは俺も思ってなかったし?」

「だから!これには色々と事情があって」

「どんな事情だよ。隣に引っ越すとか上級のストーカーでもしないぞ」

だから。違うんだってば!

いくら春樹に説明したところで、最早この男は聞く耳を持っていない。

「全く話が見えないけど、なんか面白そうだな」

呑気な男が一人……

「だ――――っ!リクにでも誰にでも言えばいいじゃない!あたしは引っ越したくってここに引っ越してきたわけじゃないのに!あたしだって……あたしだってイヤだよ……リクの隣の部屋なんか……」

誰かにそう言われることが嫌で嫌で仕方がなかったから、リクにも話せずにいたのに。

こんなことなら、縋りついてでもお母ちゃんと一緒にお父ちゃんのところに行けばよかった……

目にジワリと涙が膨らんでくる。

こんな奴の前で泣くとかあり得ないから!



「お取込みのところ悪いんだけど、二人で話すより『陸人』ってヤツを連れてきた方が早いんじゃね?」

「却下!」

呑気な拓にぃを一喝する。

「そんなこと言ったって、もう連れてきちゃったもんね☆」

「はいィ?」


ケタケタと笑っている拓にぃの隣に、キョトンとした顔で立っているリクがいる。

いつの間に……

「リク……」

「陸人……」

「あれ?リツと春樹はどうしてここにいるの?」

可愛らしい顔を傾けたリクは不思議そうにあたしたちを見ていた。

余計なことをしてくれた拓にぃを恨めしそうに睨む。

拓にぃは目をキラキラさせて一言。


「メンツが揃ったところで、話しの続きをどうぞ☆」


出来るかいっ!!