その仮面、剥がさせていただきます!

秘密?

それはあたしにとって願ってもない申し出だった。

握られてる手を一度は引き剥がそうかと思ったけど、リクのその一言で止めた。

「その、秘密ってなに?」

苦労してわざわざ弱みを探らずとも、本人が話してくれたら、これ以上の確かで簡単なことはないのだから。

あたしは生唾をごくりと飲んだ。

リクは立ち止まると、視線を落とす。どうやら、自分の靴を見ているみたいだった。

「このクツ……」

リクは言いかけると顔を上げあたしを見て微笑み「取り敢えず、俺の部屋で話そうか」と言ってきた。

辺りを見回すと、いつの間にかリクのマンションの前にいる。

あたしが戸惑っていると、有無を言わさない間にリクと繋がった手を引かれ、マンションの入り口まで入ってきた。

管理人室と書かれた部屋から、50歳前後のおじさんが笑顔でリクに「お帰りなさい」と挨拶をし、それに答えてリクも「帰りました」と挨拶を交わす。

手を繋いだまま、リクは奥のエレベーターまで行こうとするけど、あたしの足はそこから動かないでいた。


「ここでいいよ。話しならここで聞くから」


頭の中では『部屋に入れば危険』信号が発信されている。リクがあたしに何かするとか思えないけど、兎に角、部屋には入らない方がいいとあたしの勘がそう言っている。

「ここで……?」

入り口のすぐ脇にソファが置いてあり、そこは管理人室から死角になっている。

「うん。ここでいいよ」

あたしがソファに向かって歩くと、リクも仕方なさ気についてきた。


さあ。腰を落ち着かせたところで、その秘密とやらを聞こうじゃないの!